障がいのある娘の大切な記念の成人式写真

私の娘はダウン症です。
小さい頃は体が本当に弱くて、この子はちゃんと大きくなれるのだろうかと心配したものです。

その子が無事に二十歳になった時、成人式の写真は素敵に撮ってあげたいと思いました。
娘はおしゃれをすることが大好きで、写真に撮られるのも大好きです。
アイドルとまではいかなくても、まるでアイドルのようにかわいく映っている成人式の写真を撮ってあげたいと思いました。

けれどダウン症の子の中には初めての場所が苦手だったり、初めて会う人に対して必要以上に警戒するタイプがおり、娘もその一人でした。
なので写真館でカメラマンさんの指示を受けながら、娘が成人式の写真を写すことが可能だろうかと悩みました。

かと言って、せっかくの成人式の写真を親のへたくそな写真で済ませてしまうのでは、娘があまりにもかわいそうです。

私はいくつかの写真館に電話をして、娘の障がいのことをありのままに伝え撮影がスムーズにいかないかもしれないことなどを話しました。

そのうちの写真館のひとつがとても丁寧に話を聞いてくれ、「娘さんに無理のないように撮影をしましょう」と言ってくれました。

当日、娘はおばあちゃんにプレゼントしてもらった大人っぽいツーピースを着て写真館に行きました。最初は緊張していましたが写真館のスタッフの方が笑顔で迎えてくれ、その服のことをとても褒めてくれて娘は喜んでいました。

カメラマンの方は、娘に無理に話しかけたりはせず、必要な時だけ優しい口調で話しかけてくれました。写真の写りがいいようにスタッフの方が少し口紅を塗ったらどうかと勧めてくれたのですが、娘はそういったメイクの類が苦手でした。
その時もカメラマンさんは、「無理はしなくていいですよ。自然なままで行きましょう!」と言ってくれ、娘も私もホッとしました。

また娘はアイドルっぽいポーズをとりたがり、ともすればふざけてみえるポーズを取ったりもしたのですが、スタッフの方もカメラマンの方も笑いながら自然に見えるポーズにうまく誘導してくれました。

おかげで娘は過度に緊張することも疲労することもなく、無事に成人式の写真を撮ることが出来ました。

後日出来上がってきた写真には家族も娘も大満足でした。
娘がはにかみながら、手を後ろに組んで微笑んで写っています。まさにアイドルのようでした。

娘に優しく接してくれ、素敵な成人式の写真を撮ってもらって本当に感謝しています。